ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

台風心中

○中学校/校庭(朝)
地面は濡れ、水たまりが残っている。
草木が散乱している様子から強い風が吹いたことがわかる。

○同/教室内(朝)
通学する生徒たち。
教室の窓際で朝倉恭子(14歳)が女子生徒たちと話をしている。
杉村輝之(15歳)が教室に入ってくる。
恭子が杉村をチラリと見る。
杉村が一瞬だけ恭子を見て、目を離す。

***回想***

○海辺(夕方)
岩礁に囲まれ湾のようになっている海。
海辺の植物が風に揺れている。
海辺に小屋がある。

○小屋内(夕方)
杉村と恭子が抱き合ってキスをしている。
杉村「いいやろ、愛しとる、愛しとるまま、いってしまおう」
恭子が杉村を強く抱きしめる。
恭子「うん」
小屋の片隅にゴムボートが置かれている。

○海辺(夕方)
杉村と恭子がゴムボートを持ち海に近づいていく。
杉村とボートを海に浮かべ、乗り込む。
杉村が手を差し出す。
杉村「ええな?」
恭子「うん」
恭子が杉村の手をつかんで、ボートに乗る。
ボートの上で杉村と恭子が抱き合ってキスをする。

徐々に空が暗くなっていく。

○海辺(朝)
ゴムボートが波打ち際に寄せられている。
ボートには杉村と恭子が乗っている。
杉村が目を覚まして、辺りを見回す。
杉村「なんや・・・」
恭子が目を覚ます。
恭子「ん?」
杉村「50年に一度って」

○アパート(杉村宅)玄関(朝)
杉村が帰ってくる。
杉村の母が出かける支度をしている。
杉村の母「また神沢君のトコ?台風の日に」
杉村「あぁ」
杉村の母「学校休むんじゃないよ」
杉村の母が出ていく。

○恭子宅/室内(朝)
恭子が入ってくる。
散らかっている室内。
恭子の弟と妹「姉ちゃん」
恭子「父ちゃんは?」
弟「帰ってこんかった」
恭子「昨日も?」
弟「うん」
妹「お腹すいたー」
恭子が呆れた顔をする。
恭子「ちょっと、待っとき」

***回想終わり***

○中学校/教室(朝)
窓際で話をしている恭子たち。
友達A「ニュースであんだけ騒いどいて、なんよ、あれ」
友達B「うちの家なんか避難の用意までしとったのに」
友達A「やりすぎやろ、それ」
恭子が杉村の方を見る。
友達A「ねぇ、恭子」
恭子が友達に作り笑いを浮かべる。