ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

メクラマシ 第一の矢

○会議室/室内(夜)
窓のカーテンが閉められた会議室。
野々村範宏(43歳)と上山健夫(57歳)が二人きりで話をしている。
野々村「ホンマ、保証してくれはりますよね?」
上山「当たり前や、あんたしか出来ひん頼みやと思ってお願いしとんのやから」
野々村「国会議員の言葉を疑うワケやないんですけど、一筆、お願いしてもええですか?こっちも、せっかく受かった議席を差し出すワケですし」
上山「わかった、わかった、後で書くさかいに、やってくれんの、断るの、どっちやの?」
野々村「そら、自民党の公認もらえるんやったら、2年間くらいの禊ぎなんて、どうってことありませんわ」
上山「ホンマやな?裏でワシらが思いっきりマスコミ煽るさかいに、世間の風当たり、相当エゲツないで」
野々村「そんなん問題ありまへん。会見で暴れれば、よろしいんやろ。(大声で)すんまへんでしたー!」
上山「あかん、弱い、あんたには最高の悪役になってもらわなあかんのや」
野々村「(大声で)うぉぅお、おんとーにしぃみんぬぉー!」
上山「そないな感じや。本番では、もっと声張り上げて泣きわめいてや」

○ビル外観(夜)
野々村の声「(大声で)うぁとあすぃはー!」

○国会/外観(昼)

○同/首相部屋(昼)
阿部首相(61歳)が椅子に座って、タブレットを見ている。
タブレットには野々村が号泣会見している映像が映し出されている。
阿部が映像を見て大笑いする。
阿部が秘書(48歳)に話しかける。
阿部「これ?」
秘書「はい、兵庫県選挙区の上山議員の仕掛けだそうです」
阿部「面白いなぁ、で、この野々村ってのは、どういう条件で?」
秘書「2年間の禊ぎをさせて、関西支部で引き取るそうです」
阿部「公認、中選挙区?」
秘書「おそらく」
阿部「その程度で、こんな役を引き受けるなんて、バカだな、こいつも」
秘書が苦笑いする。
阿部「まぁいいや、他の支部にも、もっとハッパかけるように言っといて。こういうメクラマシの話題を作って、世論を憲法論議から遠ざけてもらわないと」
秘書「はい」

○国会/外観(昼)
入口付近にデモ団体の姿。
阿部の声「まったく、このままだと支持率に下がりっぱなしだよ、早く第二、第三の矢を用意しろって官房長官にも、お願いしといて、頼むよ!」
秘書の声「はい!」