ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

インターナショナル愉快犯

○ホテル/室内(夜)
テーブルの上、床の上に沢山の資料が並べられている。
杉山和毅(45歳)と首藤秀明(38歳)がテーブルを挟んで話をしている。
杉山「ということは、そこは心配しなくても良い?」
首藤「ええ、第三書記は長年、我々のエスですよ」
杉山「情報は信頼できるというんだな」
首藤「確度100です」
杉山「しかし、公安のルートが第三書記に繋がっているとは思わなかったな」
首藤「こっちも、総連局長を自衛隊が口説いてたなんて、思いもよりませんでしたよ」
杉山「いや、我々も二重スパイの疑いアリとして完全には信用してなかった」
首藤「逆に、警察でも、彼の動きを探ってたんですけど、どうしても腑に落ちない点がありましてね、それで納得できましたよ、そちらに接触してたんですか」
杉山「2年前から有力な情報源の一つだ」
首藤「他にも隠し玉のカードが?」
杉山「もちろん。公安だって持ってるんだろ」
二人が微笑む。
首藤「我々は・・・」
二人の会話が続く。

○ホテル/室内(夜)
モニター、音響機器などが持ち込まれている。
ヘッドフォンを耳にした男たちがザワザワしている。
大急ぎで無線連絡をする男。
立ちすくんでいる男。

○公会堂前(昼)
テレビの報道記者がレポートをしている。
記者「日朝間で初の開催となる拉致問題解決に向けた事務方の会議は、本日、ここ中国の比寧省で開催される予定でしたが、会議は当日になって、北朝鮮側の一方的な要望によりキャンセルとなり、また北朝鮮国内では共産党幹部の粛正が起きているという情報が流れるなど、北の国内情勢に突然の変化が起きている模様です」

○テロップ
黒画面にテロップ。
テロップ「会談10日前」

○会議室/室内(昼)
杉山と首藤が話をしている。
杉山と首藤の前には、相手の名刺が置かれている。
杉山が名刺を見ながら首藤に話しかける。
杉山「公安からは首藤さんが」
首藤「ええ、警視庁の公安からは私と上司が出席します。自衛隊からは?」
杉山「私の他に部下が2名」
首藤「国際情報の担当?」
杉山「アジア担当です。それで、今日は、どうしました?事前にすり合わせておきたい情報?」
首藤「いえ、我々に、こういう舞台が用意されることなんて、めったにないもんですから」
杉山「各省庁のアジア外交のエキスパートが同席するなんて初めてでしょう」
首藤「ですから、最高に面白いお芝居の興味をお持ちではないかと・・・」
杉山「お芝居?」
首藤「滞在先の盗聴、盗撮は確実でしょう」
杉山「北と中国は、それぞれ装置を設置してるでしょう、間違いない」
首藤「そこで、わざと打ち合わせをするんですよ、二人で」
杉山が微笑む。
杉山「ほう・・・デタラメの情報?」
首藤が微笑む。
首藤「メチャクチャな話を聞かせて、対日政策を混乱させるんです」
杉山「面白い・・・台本は?」
首藤「今日は、その相談に伺ったワケです」