ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

AVとプロレス

○居酒屋/店内(夜)
岩崎一樹(52歳)と丸田文規(53歳)が酒を飲みながら話をしている。
丸田「でも、マジメな話、お前、この先、不安になんないの?」
岩崎「なにが?」
丸田「独り身でさ」
岩崎「なに言ってんの、お前だって、嫁さんに先に逝かれたら独り身だろ」
丸田「まぁ、そりゃ、そうだけどさ、ウチは娘がいるし」
岩崎「じゃ、娘夫婦と一緒に住むのか?」
丸田「いや、まぁ、向こうは向こうで旦那の親もいるし」
岩崎「だろ?」
岩崎が酒に口をつける。
岩崎「それに、うちには1000人の嫁がいるから」
丸田「お前・・・、まだ見てんの?」
岩崎「いいぞ、文句も言わねぇし、いつ見てもべっぴんさんだしな」
丸田「そりゃビデオなんだから、当たり前だろ」
岩崎「もう、見ない?」
丸田「最近は見てないよ、何本か見りゃ、飽きるしな」
岩崎「俺は飽きねぇな、あれは奥が深いよ」
丸田「いいかげん、目、覚ませよ、あんなの芝居だぞ、ヤラセ、ウソ」
岩崎「バカ、ウソの中に真実を読み説くのが醍醐味なんだよ。これ芝居だろうなと思ってみてると、ほんの一瞬だけ、女優が素の表情を見せる瞬間があるわけ、それを一つ一つ読み解いていって、徐々に、その娘と自分が同化していくんだよ」
丸田「そりゃ、どうかしてるよ」
岩崎「こっちはマジだよ、マジ。お前だって、昔、プロレス好きだったろ」
丸田「よく一緒に行ったよな」
岩崎「見た後に、あの試合は途中からセメントになった、とか、あの関節はガチで効いてた、とか、朝まで盛り上がったじゃない、あれと一緒よ」
丸田「はいはい、お前の想像力のたくましさには、かないませんよ」
岩崎「なにロープに逃げてんだ、俺の話は、ここからだろ」
二人の会話が続く。

○丸田家/居間(夜)
丸田がテレビを見ている。
丸田の妻がお茶を持ってくる。
丸田の妻「岩崎さん、元気だった?」
丸田「相変わらずだよ」
テレビの音声「先頃開催された脳科学者の学会では、こんな学説が発表されました。アダルトビデオを見続けている男性の脳は想像力を働かせる部位が萎縮するそうです」
丸田がテレビに向かって小声でつぶやく。
丸田「なに言ってんだい」