ハッピー・ハロウィン
○山林(夜)
たき火の炎が木々を照らしている。
火の周りには青、赤、黒、三色の顔をしt「なまはげ」が座って、話をしている。
青「ヅカヅカ家に乗りむとこまでは、一緒でねぇか」
赤が酒を飲みながら応える。
赤「ばか、なんど言っても、違うもんは違うんだ、あっちはハローウィン、こっちは、なまはげ」
黒が獣の肉を噛みちぎりながら言う。
黒「ハロウィン」
青「ポッと出の祭りに負けて、悔しぐないっぺか?こっちは何百年も前から日本で頑張ってきてんど」
赤「ドンキホーテでハローウィンのグッズはいっぱい売ってんけども、なまはげのグッズ、見たことあっか?俺たち「なまはげ」も、時代にあわせて変わらんといかんと思う、なぁ(黒の方を見る)」
黒「あ、あぁ」
青「おう、まさか、お前ら揃って、なにか企んどるんじゃ・・・」
赤が懐から紙切れを出す。
紙には「直訴状 ディズニー殿」と書かれている。
青「ディズニー?ディズニー行くんか?」
赤「どうする?俺がデズニー一家に婿入りしたら?」
黒「パレードの時、ミッキーに渡すんだ、それ」
青「すげぇ、すげぇよ。(赤と黒を見て)でも、無理だ」
黒「どうして?」
青「酒飲んで獣の肉を食らってる奴らが出て来る話なんて…、それに俺たちの、このツラ」
青が顔を触る。
赤「(黒に)見せてやれ」
黒が懐から紙を出す。
紙には墨絵で描かれた、男性剣士の絵。
青「なんだ、これ?」
黒「俺たちだよ」
青「俺たち?」
赤「新しい「なまはげ」だ」
男性剣士の頭に角がある。
青「あ、角。これは鬼か?このイケ面が俺たちか」
赤「ジャパニーズ・ハローウィンだ」
黒「泣く子か?いたずらか?」
青「この話、俺もノった!」
赤「よーし、いくぞ!」
青、赤、黒「泣く子か?いたずらか?泣く子か?いたずらか?」
○山間部(夜)
なまはげたちの「泣く子か?いたずらか?」がこだましている。