ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(曳航-1)

◯郊外の町・路上

路上を歩く町村の後を米原が追いかける。

米原「なぁ、あんた」

町村が無視をする。

米原「天才科学者」

無視する町村の肩を米原が叩く。

米原「あんたに言ってんだよ」

町村は振り返らずに答える。

町村「なんだ?」

米原「なんだじゃねぇよ、聞こえてんだろ」

町村「どうした?」

米原「何者なの?」

町村「なにが」

米原「あんたみたいな光、初めて見たよ」

町村「そうか」

米原「なにモンだって聞いてんだよ」

町村「人間だ」

米原「でも普通じゃねぇよな」

町村「普通さ」

米原「俺、わかるんだって、あんただって、わかってるんだろ、俺のこと」

町村「それが」

米原「それがじゃなくてさ、もっとあるだろ、かける言葉が」

町村「元気だな」

米原「こんなとこをプラプラ歩いてていいのかよ。せっかくの力、世の中に向けて、なんかしないの」

町村が立ち止まる。

米原「お」

町村「君の言っていることは正しい」

米原「だろ、だったらさ、一緒に競馬行かない?あんたならJRAぶっ潰せるぜ」

町村「ギャンブルに使ってるのか、君は」

米原「ああ、カジノで」

町村「いつから?」

米原「もう4、5年になるね」

町村「力は衰えないのか?」

米原「いまんとこ大丈夫」

町村「それに罪悪感や虚しさは?」

米原「カジノなんて、どうせインチキなんだから。勝ちまくるってことは、世直しだよ、世直し」

町村「力があるうちに貯金でもしておくんだな」

米原「残念ながら、貯金はないね、全部使ってる」

町村「遊びで?」

米原「そう、暇つぶし、暇つぶしのお遊び」

町村「本当か?」

米原「街歩いてて、面白そうな奴に遊ぼうぜって声をかけてさ、ぷあーっと使ってんだよ」

町村「面白そうな奴」

米原「そう、分かるだろ、気になる奴、あんたも見えるはずだ」

町村「そういうことか。それは君にとって遊びなんだ」

米原「そう遊び、楽しいもんだ」

町村「いい心がけだ、だったら力は衰えない」

米原「ま、俺のことはいいから、あんたは、なにモンだって聞いてんだよ」

町村「研究者だ」

米原「神主に聞いたよ、科学者なんだろ。でも俺が聞きたいのは、頭で考える学問の話じゃない」

町村「それは、もう感じてるんだろ」

米原「そう、心で感じる方の話、ただ、あんた普通じゃねぇよな」

町村「普通ってなんだ」

米原「そう言われても、まぁ、今までそんな光り方をしてる奴を見たことないっていうかさ」

町村「光り方なんて、人それぞれだ。私だって、君と同じ光り方をしている人を見たことはないよ」

無言。

町村「行ってもいいかな」

米原「なぁ」

町村「なんだ」

米原「聞かせてくれないか、あんたみたいな人が何を感じて生きてきたか」

町村「聞いてどうする?」

米原「参考にしたい」

町村「なるかな」

米原「なるさ」

町村「あそこに公園がある、そこのベンチに腰掛けて話をしよう」

米原「なにか飲む?コンビニで買ってくるけど」

町村「水でいい」

米原「公園で待っててくれ」

(続く)