ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(放逐-7)

○アパート室内

遠山とひかりがいる。

ひかりは台所で片付けをしている。

遠山「来いよ、藤田さんに電話する」

ひかりが遠山の近くに寄ってくる。

遠山が携帯の音量を上げる。

遠山「聞こえる?」

ひかり「はい、大丈夫です」

遠山「聞いてろ」

遠山が電話をかける。

着信音の後、藤田が出る。

遠山「もしもし、藤田さんですか」

藤田「遠山?」

遠山「今、大丈夫ですか」

藤田「ああ」

遠山「張込みの件、本庁に伝えてくれました?」

藤田「ああ、署に来たから直接伝えといた」

遠山「来た?」

藤田「ああ、本庁の担当、植地さんて女刑事が、わざわざウチに来てな」

遠山「電話で済む話なのに」

藤田「俺もそう言ったんだがな。直接、聞きたいって。あ、お前にも会いたいって言ってたぞ」

遠山「一緒に張込みすると?」

藤田「そうそう、その件、その日のうちに返事あってさ、準備つくって」

遠山「本庁で、そんなに早く、捜査申請、通りますかね」

藤田「それは良くわからんが、とにかく連絡あったよ」

遠山「いつですか?」

藤田「3日後、13日、メモいいか?」

遠山「はい、大丈夫です」

藤田「13日、15時、駅の南口バスターミナルの3番、グレーのスーツに黒縁メガネをかけて立ってるそうだ、身長は170、痩せ型、黒いショートヘア、キリッとした顔立ちのべっぴんさんだ、見りゃ分かるよ」

遠山「向こうの連絡先わかります?」

藤田「携帯は、ええと********」

遠山「了解です」

藤田「お前のこと興味津々だったぞ」

遠山「また余計なこと言ったんでしょ」

藤田「埼玉県警のゴッドハンドだって」

遠山「やめてくださいよ」

藤田「本庁の刑事に一発かましてやれ」

遠山「朝っぱらから元気っすねぇ、昨日の夜、ガサだったんでしょ」

藤田「ああ、そういや昨日のカジノの手入れで、面白い話聞いたぞ」

遠山「なんですか」

藤田「お前みたいな奴が裏カジノ荒らしてるって」

遠山「俺みたいな奴?」

藤田「カジノの連中が恐れてる死神って奴がいて、イカサマやろうが、なにをやろうが関係無しに勝ちまくってるそうだ」

遠山「捕まえたんですか?」

藤田「いや、踏み込んだカジノの売上げが少ないから、何故だって問い詰めたら、そいつが根こそぎ持ってった後だって」

遠山「へぇ、昨日、川口にいたんですか」

藤田「踏み込む直前まで、カジノにいたらしいんだが、取り逃がしたよ」

遠山「そりゃ、そうですよ、ガサが入る予感がしたんですよ」

藤田「そうかな。じゃ報告書まとめなきゃいかないから、いいか」

遠山「ええ、じゃ、また連絡します」

藤田「頼むよ」

電話が切れる。

遠山「最後の聞いた?」

ひかり「はい」

遠山「世界は狭いな」

ひかり「きっと駅で会った人ですよね」

遠山「どうする?川口まで行って足取り探れば、また会えるぜ」

ひかり「会って、どうするんです?」

遠山「ま、そういや、そうだな。縁がありゃ、ほっといても、また会えるか」

ひかり「そんなことよりも、張り込み、すぐじゃないですか」

遠山「怪しいなぁ、これ。正式な手続き踏んでねぇだろ」

ひかり「申請が通るの早過ぎますか?」

遠山「本当に、こんなに早く捜査申請が通るんなら、お前は重要参考人だぜ」

ひかり「そういうこと、ありえますかね」

遠山「念力で、そんな扱いになるわけねぇよ」

ひかり「だとしたら」

遠山「正式な捜査じゃないな」

ひかり「国本さん?」

遠山「絡んでくるよ。向こうが超能力使うなら、どういう手が考えられる?」

ひかり「国本さん自身に能力はありませんから、スタッフを使うでしょう」

遠山「調教してる奴ら?」

ひかり「おそらく」

遠山「どうなの、そいつら?」

ひかり「どうなのって?」

遠山「向こうが束でかかってきて、俺たちに勝ち目はあるのかよ」

ひかり「一つ一つの力は弱くとも、全員の心が一つになれば、力は全然変わってきますから」

遠山「油断すんなってこと」

ひかり「ええ」

遠山「そんな暗い顔すんなよ。逆に、こっちも心を一つにすれば、力が強くなるってことだろ」

ひかり「はい」

遠山「100パーセント信頼してるから」

ひかり「はい」

遠山「頼むぜ」

ひかり「はい」

(続く)