ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(放逐-2)

○繁華街の外れ(夜)
遠くから雑踏の音がする。
Wがブツブツと独り言を言っている。
W「俺が、俺が、日本、地球、太陽、宇宙、デカチョウ、次はどれにしますか、指示お願いします…(わけのわからない言葉が延々と続く)」
米原「おっさん」
Wの独り言が続く。
米原「乞食のおっさん」
Wの独り言。
米原「メシ奢ってやるよ」
Wの独り言が止まる。
米原「どうした?」
W「う、う~(低い唸り声)」
米原「カッカすんなよ、なんにもしねぇよ」
Wの唸り声。
米原「すげぇ」
W「本部、本部、ただいま指令をキャッチしました、転送いたします」
米原「邪魔して、悪かった、おっさん」
米原が振り返って走り出し、Wの声が徐々に小さくなっていく。
W「只今の声はエーテル体の振動から推測するに第八次元の高級霊団からの声だと思われます、指示お願いします、応答お願いします…」
米原「なんだよ、アレ」
遠くでWの大声がかすかに聞こえる。
 
○街中・路上
パレスホテルに向かって歩いている。
みこと「なに急に?」
高橋「やっぱり、来ない方がいい」
みこと「二人で会おうよ」
高橋「ダメ、まず俺が一人で会ってみる」
みこと「どっかで私も合流させて」
高橋「今日は様子見、問題なければ、次、二人で会おう」
みこと「今日、来た意味ないじゃん」
高橋「あるよ。遠くから、相手の、ラブコだっけ、そのラブコを観察して」
みこと「ふーん」
高橋「でも、目印が赤いブックカバーの本て、どうなの?」
みこと「携帯、教えたくないっていうんだもん」
高橋「待ち合わせの方、古すぎだろ」
みこと「指定なんだもん、あっちからの」
高橋「赤い本を持った、おばあちゃんだったりしてさ」
みこと「それはそれで面白くない?」
高橋「のんきな奴」
みこと「あ、ここだ、ホテル」
高橋「じゃあ、ロビーの奥の方から見てて」
みこと「がんばれ~」
 
 
○パレスホテル・ロビー
ロビーの隅に、赤いブックカバーがついた本を持った竹之内が立っている。
竹之内の隣には橋爪も立っている。
高橋がゆっくりと、竹之内に近づく。
高橋「あのぉ」
竹之内「あ、はい」
高橋「その本」
竹之内「これですか?」
高橋「赤いブックカバーの…」
竹之内「はい、そうです」
高橋「ひょっとして、ラブコさん?」
竹之内「はい、ええ、ラブコと申します」
高橋「あの自分、世界霊性革命の」
竹之内「あぁ、そうですか、いや、いただいたメールから、若い女性だと思ってました」
高橋「こっちの方も、ラブコさんという名前だから、てっきり」
竹之内「いやいや。申し訳ございません、お手間をいただきまして」
高橋「いえ、こちらこそ」
竹之内「私、竹之内と申します。あと、お伝えしていませんでしたが、もう一名、同席させていただけないかと」
橋爪「すみません」
高橋「どういう関係で?」
竹之内「動画の作者にお会いすると話をしたところ、ぜひお会いしたいと」
高橋「まぁ、大丈夫ですけど」
橋爪「橋爪と申します」
高橋「高橋といいます」
竹之内「では、ティールームを取っておりますので…」
(続く)