ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(放逐-1)

○高橋の住むマンション
朝。高橋がベッドで寝ている。
呼び出しのチャイムが鳴る。
高橋「ん」
チャイムが鳴る。
高橋「ん~」
チャイムが鳴る。
高橋「寝かせろよぉ、もう」
高橋がベッドが起き上がり、ドアの方に向かう。
高橋「何の用ですか?」
みこと「開けて、わたし」
高橋「えぇ?」
高橋がドアを開ける。
みこと「いた」
高橋「なんだよ、朝っぱらから」
みこと「夜いないんだもん」
高橋「来たの?」
みこと「昨日も一昨日も」
高橋「ダメだっていったじゃん、女の子が、そんなの」
みこと「だって、電話もチョク留守だし」
高橋「入って」
高橋とみことが部屋の中に入る。
みこと「おねぇちゃん、連れ込んじゃないの?」
高橋「んなわけないだろ、夜勤明けで、ようやく寝たとこなのに」
みこと「ふ~ん」
高橋「ユーチューブ調べろって電話あってから、2日連続、徹夜の張り込み」
みこと「張り込みしてても、留守電くらい聞けるでしょ」
高橋「あ?あぁ、何件か入ってたね」
みこと「聞いてないの?まだ」
高橋「ん?いやぁ、まぁ、かかって来てたのは知ってるよ」
みこと「その先は?」
高橋「まぁ、その、張り込みしてると目が離せなくてさ」
みこと「じゃ、ユーチューブ、まだ見てないの?」
高橋「ああ、コメントね、本物なんだろ、コメントから光が出てるような」
みこと「アカウントは覚えてる?教えたでしょ」
高橋「うん、あのぉ、や、ラブ、ラブ」
みこと「ラブコ」
高橋「そうラブコ!」
みこと「見てないんだ」
高橋「いやぁ…」
みこと「はぁ~(ため息)」
高橋「パソコン立ち上げるから、ちょっと待ってて」
 
○愛子の部屋
広く綺麗な部屋。
竹之内がノートパソコンを見ている。離れた場所に愛子が座っている。
竹之内「愛子様、先日、コメントをお送りしました「世界霊性革命」の作者様より、メッセージが届いております」
愛子「感じていました」
竹之内「ご覧になりますか」
愛子「お願いします」
愛子が席を立つ。
竹之内「お待ちください、私が声をおかけするまで、お席におかけになって」
愛子が竹之内の方へ近づく。
愛子「見せていただけますか」
竹之内「いけません、まだ内容の確認を…」
竹之内がノートパソコンの扉を閉じる。
竹之内「これは規則ですので」
愛子「お願いします」
愛子が、その場から無言のまま動かない。
竹之内「では私が確認しながら、文面を読み上げますので、それでも、よろしいでしょうか」
愛子「それでも構いません、お願いします」
竹之内「では読み上げます。「ラブコ様、コメントありがとう、あなたみたいな人からコメントが来ると信じてました。ぜひ会いましょう」この後、彼女の携帯電話の番号が書かれています」
愛子「お会いすることはできないのでしょうか」
竹之内「直接お会いしたいというメッセージは、あまり感心できるものではありません」
愛子「そうでしょうか?」
竹之内「ましてや、愛子様のお立場で、一般の方と直接お会いするのは、たいへん危険なことです」
愛子「そうは思えないのですが」
竹之内「この作者の方が、お見えなのですね」
愛子「はい、わたくしと、とても良く似た力を持っている方です」
竹之内「他に何かお感じでしょうか」
愛子「お会いすべき方です」
竹之内「そう仰られましても…」
愛子「ぜひお会いしたいのです」
 
○高橋の住むマンション
高橋とみことがパソコンを見ている。
高橋「ホント危なっかしいなぁ、携帯の番号教えてんの?」
みこと「大丈夫、悪い人じゃないんだから」
高橋「ネットで知り合った人に会うって…、やめときな、恐いだろ?」
みこと「いいの、いいの」
高橋「だって、指定された場所、ホテルのラウンジだよ」
みこと「でも、ここ、ちゃんとしたホテルでしょ」
高橋「パレスホテル、ちゃんとはしてるけど」
みこと「時間も日曜の2時、昼間だし」
高橋「そうだけどさ」
みこと「それに、向こうは、私のこと知らないんだから、まさか中学生が来るって思ってもないでしょ」
高橋「でも、相手が脂ぎったおっさんだったら、どうすんの。強引に部屋に連れ込まれたりしてさ」
みこと「ってかさ、さっきから私が一人で行くと思ってる?」
高橋「え?」
みこと「ついてくるでしょ、普通」
高橋「俺が?」
みこと「そう」
高橋「今日、何曜だっけ?」
みこと「木曜」
高橋「無理、明後日の夜から、また夜のシフトが入るかも」
みこと「いいじゃん、適当に親戚が死んだことにして休めば。うちの親、そんなので、よく教祖のとこ行ってるよ」
高橋「こっちの仕事に、そういうウソってのはさ」
みこと「ふ~ん、親戚が死んだってウソつくのと、ホントに私が殺されるの、どっちにするか悩んじゃうんだ、へぇ、それでおまわりさんなんだ」
高橋「そのお願いで来てんの?」
みこと「そう」
高橋「もう」
みこと「一人で私を行かせたら、もう会えないかもよ」
高橋「はい、わかったよ、もう。行くよ、行きますよ」
みこと「言うと思ってた」
高橋「言わせたんだろ」
みこと「もっと自分の心に正直になりなさい、そういうのツンデレってんでしょ」
高橋が軽くあくびをする。
高橋「じゃ、もういいかな?疲れがどっと出てきた」
みこと「では、ぐっすり休みたまえ」
みことがドアの方に向かって歩く。
高橋「なんかあったら留守電入れといて」
みこと「おやすみ~」
みことがドアを開けて出て行く。
(続く)