ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(邂逅-7)

○警視庁・施設内
人通りのない廊下の隅。
高橋が携帯電話に向かって、抑え気味の声で話をしている。
高橋「こっちは仕事中なんだよ」
みこと「だから電話してんの、警察で調べてみてよ」
高橋「簡単にできないんだ、面倒な手続きがいるから」
みこと「いいじゃん、やって」
高橋「事件でもないのに申請すると怪しまれるよ」
みこと「えぇ、そうなのぉ、つまんない」
高橋「もういいかい、切るよ」
みこと「あ、絶対見てね、ユーチューブのコメント、ユーザーの名前覚えた?この人、本物だかんね」
みこと「ごめん、なんて名前だっけ、もう1回」
高橋「ラブコ、エル・オー・ブイ・イー・ケイ・オー、ラブコね」
みこと「なんて名前だよ」
高橋「名前はふざけてても、この人、見えてるよ、感じる、光って見える、本物」
みこと「夜、電話かけていい?じゃなきゃ、家に行く」
高橋「ダメだよ、夜は」
みこと「彼女でも来んの?」
高橋「まだ中学生だろ、夜に男の家って」
みこと「あ、子供みたいなこと言って」
高橋「いい、切るよ」
みこと「じゃね」
 
◯警視庁・会議室
高橋がドアをノックして入ろうとした時、中からドアが開き国本が出てくる。
高橋「あ、失礼しました」
国本「失礼」
高橋が空いているドアから中に話しかける。
高橋「中川警視正、すみません、高橋です、入ってもよろしいでしょうか?」
中川「どうぞ」
高橋が中に入る。
高橋「今、出て行かれた方は?あまり見かけない方ですが」
中川「国本って奴だ」
高橋「国本さん?」
中川「昔、戸塚署にいた頃の後輩でね、面白い奴だよ」
高橋「面白い?」
中川「変わってるというか、いや、だから我々の仕事に向いてるのか、図抜けて勘が良いんだ。奴の勘をヒントに解決した事件がいくつもある」
高橋「今も現場にいらっしゃる方ですか」
中川「いや、今は、新しい捜査方法を研究する部署にいる」
高橋「その説明にいらしてたんですか?」
中川「そうじゃない、あいつも以前、公安にいたことがあってね。今の君のように潜入をやってた」
高橋「先輩に当たる方ですか」
中川「現場にいた時に、宗教がらみの捜査を担当していたから、その後の動きに興味があるといって、たまに私のところに話を聞きに来るんだ」
高橋「それで警視正が説明を?」
中川「ああ」
高橋「でも、それは…」
中川「捜査情報の漏洩?大丈夫だ、話せる範囲のことしか話さないよ」
高橋「はぁ」
中川「なにより、奴は、神様に祈るようなガラじゃない、宗教団体と接点を持つことは絶対にありえない」
高橋「そうですか」
中川「自分しか信じてない、まぁ、そんな性格だから扱いづらくてな、悪い奴じゃないんだが…」
高橋「なるほど、了解しました」
中川「そういえば、奴も、いのちのみち、「あの教団は気になる」と言ってたよ」
高橋「どういう点が」
中川「教祖の予言について知りたいと」
高橋「このあいだの予言も当たりましたからね、ダービーと地震」
中川「あいつも不思議なひらめきを持ってる奴だから、似たもの同士、興味があるのかもしれんな」
(続く)