ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

<ボイスドラマ>世界霊性革命(邂逅-6)

◯遠山の住むアパート・室内

ひかりと遠山がコーヒーを飲んでいる」

遠山「モーニングコーヒーなんて、久々だな」

ひかり「これからは、朝からビールなんて辞めて下さい、僕が食事を作りますから」

遠山「女房気取りかよ、そんなんで泊めたんじゃねぇからな、俺は」

ひかり「夕方、買い物に行きます、近くにスーパーありますか?」

遠山「ちっ(苦笑)あ、そうだ、聞きたかったことがある」

ひかり「何ですか?」

遠山「ホントにここが見つからないと思うか?」

ひかり「今、国本さんの部署にいるのはピーケーの能力者です。リーディングに長けている人はいないはずです」

遠山「そこそこの力があれば、お前のアパートとか、橋の下に行けば、ここまでイメージ浮かぶと思うんだよな」

ひかり「そんなに見えるものなんですか?」

遠山「俺だったら、辿り着く自信はあるね」

ひかりが黙る。

遠山「どうした?」

ひかり「前に見つかった時」

遠山「昨日、言ってた話。それ正攻法の捜査なんだろ」

ひかり「はい。でも、1点、ひっかかる点があって」

遠山「何が?」

ひかり「監禁してた人に、誰が指示を出したのかを聞いたんです」

遠山「なんて?」

ひかり「女性だと」

遠山「女?」

ひかり「国本さんの部下で女性は僕だけです」

遠山「ふーん、その女が、お前の知らないリーディングの能力者ってことも、おい、どうした」

ひかりが静かに泣いている。

遠山「泣くなよ」

ひかり「そこから逃げようと僕は」

遠山「思い出すな、それ以上」

ひかり「僕の力のせいで」

遠山「ほら、こっち来いよ」

遠山がひかりを抱きよせる。

遠山「起きたことは仕方がない、この後のことを考えろ」

ひかり「はい」

遠山「にしても、その女の話は、なんか嫌な予感がするな。(少しの間がある)ここから離れようか」

 

食堂・店内

地方の大衆食堂。

ひかりと遠山が食事をしている(会話の途中に食事音)。

遠山「疲れた、案外、ピンと来る町はないもんだな」

ひかり「かなり、田舎の方まで来てますけどね」

遠山「どう思う、ここは」

遠山がみそ汁をすする。

ひかり「見て来た中では、一番良い気が流れている町だと思います」

遠山「この辺りで手をうつか」

ひかり「どこか物件、見つかりますかね」

遠山「探しゃ見つかるよ」

ひかり「都会と違って生活するのがたいへんそうです」

遠山「車、欲しいな」

ひかり「どうします?」

遠山「車は使うと足がつく。不便だけど、我慢しよう、何とかなる」

ひかり「楽天家ですよね、うらやましいです」

遠山「しばらくしたら、また引越すんだ、ちょっとの辛抱だ」

ひかり「お金の方は、大丈夫ですか?」

遠山「仕事あるかな、この辺りで」

ひかり「今、二人合わせて600万あります」

遠山「お前の金だろ、自分の為に取っとけよ、592万」

ひかり「いや、それじゃちょっと

遠山「エーティーエムに念力送って、なんとかなんないか?」

ひかり「そんなことに力は使いません」

遠山「そういうことに力使えば、遊んで暮らせるのに」

ひかり「ほんとに、もう」

遠山「ふふふ」

遠山がお茶を飲む。

遠山「うん、田舎はいいな、空気が澄んでて」

ひかり「人も少ないですし、雑念も漂ってませんね」

遠山「勘が冴える」

ひかり「はい」

遠山「お前、どう思う?」

ひかり「店員さんじゃありませんよね」

遠山「ああ、違う」

ひかり「お客さん?」

遠山「お前の後ろの席から感じてんだけど」

ひかり「僕もそうです、背中から感じてます。見えます?」

遠山「おっさんと若いのが一緒にメシ食ってる」

ひかり「どっちだと思います?」

遠山「若い方」

ひかり「胸騒ぎはしますか?」

遠山「しないね」

ひかり「良かった」

遠山「でも、気になる」

ひかり「どういう見た目ですか?」

遠山「堅気じゃないな」

ひかり「挙動は」

遠山「普通」

ひかり「自覚のない能力者かもしれません、コントロールできずに力が漏れてる」

遠山「そこそこ強力だよな?」

ひかり「ええ、かなり心の強い人でしょうね」

遠山「どうしてわかる?」

ひかり「自覚のないまま力を持つと、力に心が潰されることが多いんです。実際、精神病の2割が能力者だという説を唱える学者もいます」

遠山「あいつは耐えてるから、ハートが強い?」

ひかり「ええ」

少しの間が空く。

遠山「ってことは、俺も、そうなんだ?」

ひかり「そうです、正しい心、良心があったから、力に惑わされずに済んだんです」

遠山「そんなエラいもんじゃねぇけどな」

ひかり「どうします?僕の後ろの人」

遠山「何かの縁だ、店、出たら話しかけてみようぜ」

(続く)