ニュースを読んで適当にシナリオを書き散らかすブログ

ニュースにザッと目を通して、20分くらいでガッと書き飛ばします。

今日の株価

○豊田家・外観/昼

閑静な高級住宅地にある屋敷。

 

○豊田家・応接間内/昼

広い応接間で豊田哲章(48歳)と滝沢亮(34歳)がソファに向かい合って座っている。

※カメラは二人をバストアップで捉えている。

豊田「株だな?」

滝沢は答えない。

豊田「いくら溶かした、手元に一番あった時で、いくらだ?」

滝沢「7億」

豊田「最初はいくらから?」

滝沢「3000」

豊田「元手3000万で7億まで膨らませたのか、悪くないな」

豊田がため息をつく。

豊田「しかし、最後まで投資する側だったんだろう、株なんて投資させる側に回らないと勝てはしない」

滝沢「あんたはどうしたんだ?」

豊田「7億あれば上場したベンチャーを丸ごと買いとる」

滝沢「その会社の業績が伸びなかったら?」

豊田「そんなのは関係ない。投資家が喜びそうな事業計画をでっちあげて発表する、なら株価が上がる、そして持ち株を売る」

滝沢「事業は?」

豊田「成功するわけがない、すぐに株価は落ちる、そこで買い直す。7億の株を10億で売り、5億で買い直す。もう一度、事業プランをでっちあげて5億の株を8億で売る。その会社はもう使い物にならんから、違う会社を買い取って、同じ事をする。7億の元手があれば、30億位なら簡単に増やせる」

滝沢が屋敷を見渡す。

滝沢「それで、こんな生活を」

豊田の額に汗が流れる。

豊田「しかし間違えたようだ」

滝沢「何が?」

豊田「金は」

 

○豊田家・台所内/昼間

広々とした台所の床に、家政婦が血塗れで倒れている。

豊田の声「あの世には持っていくことはできん」

 

○豊田家・応接間/昼間

豊田「そして金が」

滝沢の手元がアップになる。

滝沢の手元は血塗れである。

豊田「人生を狂わせる」

豊田の下半身がアップになる。

下腹部に包丁が刺さっている。

豊田「暗証番号は4462だ」

滝沢がテーブルの上のキャッシュカードを手にして席を立つ。

豊田「お前も人生を狂わされた一人だ」

滝沢が豊田をチラリと見て部屋を出ていく。