ヤリに行けるアイドル
○廃墟・外観/昼
樹木が茂る中に残された廃墟ホテル。
○廃墟内/昼
外から薄日が差し込むホール。
朽ち果てたホールの片隅にアイドルのコスチュームを着た進藤なみえ(21歳)が立っている。
なみえの表情は怯えている。
井本貴俊(52歳)が、追いつめるように、なみえの方へ近づく。
井本の表情は興奮している。
ホール内には井本となみえが二人きり。
なみえ「なんでもしますから。許して下さい、お願いします」
井本「そうだよ、私は、なんでもできるんだ」
なみえが井本から離れ、井本が追いつめる、追いかけっこが何度か続いた後、なみえが転ぶ。
転んだなみえに、井本が近づく。
転んだまま、なみえが後ずさりする。
なみえ「お願いです、助けてくださ。ここから出た後も、ずっとお相手しますから」
井本が無言のまま、にじり寄り、なみえを捕まえる。
井本は、必死に抵抗するなみえに覆い被さり、コスチュームを破る。
井本は、なみえをレイプしながら、両手を首元にもってくる。
井本は一気に首を絞める。
なみえが激しく暴れる。
井本は恍惚の表情を浮かべる。
なみえの抵抗は次第におさまり、ぐったりと動かなくなる。
興奮した井本が腰を動かし、大声をあげながら、果てる。
床には、なみえの失禁が滲んでいる。
○ネットニュース画面
「チームBの進藤なみえ、突然の脱退、ブログで発表」、「体調不良のため挨拶無しで脱退」
○ホテルラウンジ内/夜
美しい夜景の見える高層ホテルのラウンジバー。
ジャズバンドの生演奏をBGMに、セレブな客たちが酒を飲んでいる。
○ホテルラウンジ個室内/夜
スーツ姿の井本が夏川靖(50歳)が二人で談笑している。
井本「先生も、ホント、よくあんなこと思いつきますよ、素晴らしい」
夏川が満面の笑みを浮かべる。
夏川「よかったでしょ」
井本「知ってました?首を絞めると、あそこがキューっとしまるんですよ。その後、ゆっくりゆるくなって、失禁したおしっこでじんわり温かくなる、はぁ」
井本は興奮した表情。
夏川「そこまで気に入ってもらえると、プロデューサーとして光栄です」
井本「選抜メンバーであれができたら・・・」
夏川「50億位ポーンと出してもらえれば、話通しますよ」
井本「50は、ちょっと」
夏川「1年間、ベガスで溶かすの我慢したら、出せない額じゃないでしょう」
井本「まいったなぁ」
夏川と井本が笑う。
井本「あんなの思いつくなんて、夏川さん、天才」
夏川「同じことをやってると飽きるですよね。アイドルを抱ける以外に何かできないかと、やれるアイドルの半歩先って何だろうって」
井本「あれは半歩じゃないでしょ、百歩くらい先です」
夏川「”殺す”って書いて”やる”って読みを当ててるのあるじゃないですか、それを見て、これだ!と」
井本「ホント天才」
夏川「選抜じゃないメンバーなんて一人や二人いなくなっても騒がれないし、事務所もギャラがもらえれば御の字、なによりお客さんに、これだけ満足してもらえるわけだし」
井本「これぞクールジャパン」
夏川と井本が笑う。
笑っている夏川と井本の動きと音声がピタリと止まる。
画面にシナリオのテキストが浮かび上がってくる。
シナリオとそれを持つ手の映像になる。
○オフィス内/昼
映画のポスターが貼られたオフィス。
映画会社社員・滝川(38歳)がシナリオを持っている。
滝川の前にシナリオライター・米倉(29歳)が座っている。
米倉「この後、夏川の罠に気づいたアイドル軍団と夏川たちが血みどろのバトルを繰り広げる展開になります、アイドルとアクション、いいでしょ」
滝川「無理だろ」
米倉「これぞクールジャパンですよ、政府もそういう方向性じゃないですか、海外の映画祭にばぁっと出して、いけますよ」
滝川「バカか、お前は」